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日本加速器学会

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日本加速器学会会長からのメッセージ

ホームページをご覧の皆様へ

 日本加速器学会は、加速器科学、加速器技術、そしてこれらに密接に関連する学問分野の発展を通じて社会に貢献することを目的とした学術団体です。2004年に創設され、2024年には一般社団法人となりました。現在では、大学、研究機関、企業などに所属する研究者・技術者を中心に、学生を含めて900名以上の会員が参加しています。

加速器は、電子やイオンといった粒子を高いエネルギーまで加速し、ビームとして取り出す装置です。すべての加速器は、プラスとマイナスの電気が引き合うという基本原理に基づいています。加速されたビームを標的に照射するだけでなく、ビーム同士を衝突させる実験も行われています。また、電子ビームを磁石で曲げる際に生じる放射光も広く利用されています。

加速器は20世紀において素粒子・原子核実験のために大きな発展を遂げましたが、現在ではその応用範囲は大きく広がっています。材料の改質、自動車部材の改良、文化財の解析などの分野でも活用が進んでいます。加速器を用いて作られる放射光や中性子ビームの産業利用も拡大しています。さらに、粒子線がん治療施設の整備が進み、保険適用となる疾患が増えたことで、一般の方々にとっても加速器は身近な存在になりつつあります。加速器の社会的価値は今後ますます高まっていくでしょう。

こうした多様な分野で加速器が活用されるためには、性能向上とともに社会からの理解が欠かせません。本学会は、年会の開催や会誌の発行を通じて会員間の交流を促進するとともに、WebページやSNSを通じて広く社会に向けた情報発信を行っています。加速器を支える学問領域は、電磁気、プラズマ、放射線、真空、制御、土木など多岐にわたり、加速器そのものが先端科学の結晶ともいえる存在です。その魅力と意義をより多くの方々に知っていただくことも、学会の大切な役割だと考えています。

会長として、開かれた学術コミュニティとしての強みをさらに伸ばし、次世代を担う人材育成と多様な研究活動の活性化に取り組んでまいります。加速器の魅力と可能性を社会と共有し、より活力ある学会運営を進めていきます。

田村文彦
Fumihiko TAMURA
日本加速器学会 第12期会長(任期: 2026年4月2日 – 2028年度定時代議員総会まで)