WTSP17  ポスター①②  7月31日・8月1日 3Fホワイエ
京大複合研電子線型加速器施設の現状
Status of KURNS-LINAC
 
○阿部 尚也,高橋 俊晴,堀 順一,木野村 淳,籔内 敦,阪本 雅昭,吉野 泰史,高見 清(京大複合研)
○Naoya Abe, Toshiharu Takahashi, Jun-ichi Hori, Atsushi Kinomura, Atsushi Yabuuchi, Masaaki Sakamoto, Hirohumi Yoshino, Kiyoshi Takami (KURNS)
 
京大複合研電子線型加速器施設は稼働している線型加速器としては国内最古の加速器であるが、全国共同利用施設として非常に活発に利用されている。前回発表時からの主な作業は、No.2モジュレータの高圧トランス(600V→13kV)損傷による交換、制御系更新、インジェクタ高圧測定碍子の追加を実施した。高圧トランスは、2022年に更新したが、2023年7月に層間短絡による故障が発生。代替品の入手までの約2か月の間、No.2モジュレータを動作できないため、No.1モジュレータのみを起動させる低エネルギービームの利用となった。制御系更新については、2023年前半に更新した際に完了できなかったシーケンスの導入及び利用するにつれて判明した不具合・不都合などの修正を行った。今回の更新により、高電圧印加及びトリガを除いた自動起動が可能になり、より簡易な加速器起動が可能になった。高電圧印加及びトリガに関しては安全のため自動起動は行わないようにする構想のため、今回の更新で自動起動については完了した。インジェクタ高圧貫通碍子については、安価にするためプラスチック製の碍子を採用した。放電による碍子損傷を減らすべく中心導体を半導体繊維にて覆った。また、樹脂リングの追加で碍子径の増大による漏れ電流の低減でコロナ放電の減少を期待している。