WTSP12  ポスター①②  7月31日・8月1日 3F研修室A
山形大学医学部東日本重粒子センターの現状 (6)
Current status of East Japan Heavy Ion Center, Faculty of Medicine, Yamagata University (6)
 
○想田 光,宮坂 友侑也,石澤 美優,柴 宏博,小野 拓也,イ ソンヒョン(山形大),金井 貴幸(東京女子医大),岩井 岳夫(山形大),橋本 勝則,李 潤起,澤村 駿,永井 恭平,菅藤 洋平,盛 道太郎,田口 貴之,大内 章央,佐藤 亜都紗,勝間田 匡,小林 泉(AEC),佐藤 啓,土谷 順彦,上野 義之,根本 建二(山形大)
○Hikaru Souda, Yuya Miyasaka, Miyu Ishizawa, Hongbo Chai, Takuya Ono, Sung Hyun Lee (Yamagata Univ.), Takayuki Kanai (TWMU), Takeo Iwai (Yamagata Univ.), Katsunori Hashimoto, Junki Lee, Shun Sawamura, Kyohei Nagai, Yohei Kanto, Michitaro Sei, Takayuki Taguchi, Fumihisa Ouchi, Azusa Sato, Masashi Katsumata, Izumi Kobayashi (AEC), Hiraku Sato, Norihiko Tsuchiya, Yoshiyuki Ueno, Kenji Nemoto (Yamagata Univ.)
 
山形大学医学部では2017年から重粒子線治療施設の建設を開始し、2021年2月に水平ビームによる前立腺癌治療を開始した。重粒子線治療施設は、加速器と照射室の立体配置により世界最小の建屋面積45×45 mを実現した。入射器およびシンクロトロンは普及小型重粒子線治療装置の設計を踏襲した4 MeV RFQ+IH-DTL線形加速器と 430 MeV/uシンクロトロンであり、加速器で600段のエネルギーを利用可能とすることで0.5mm刻みの飛程制御を実現していることが大きな特徴である。照射装置は大幅に小型化されたスキャニング照射装置が初めて搭載され、これにより超伝導回転ガントリーも重量約200tまで小型化されている。回転ガントリーは2022年3月に2角度での運用を開始し、その後段階的に利用可能な角度を増やして2023年3月には15度刻み24角度での運用を開始した。治療で使用する角度については定期的な精度検証(Quality Assurance)測定でビーム位置・サイズを担保・調整する必要があり、実用エネルギー帯では全角度で概ね1mm以内の位置精度を維持している。大きなトラブルとしては、2023年12月にHEBT共通ラインで20mm程度のビーム位置ずれが発生し、メーカーと共同で週末2日かけて全角度での臨時ビーム軸調整を実施した。外部ユーザーの実験利用も段階的に行っており、多段階に変更可能なエネルギーを活かした多数条件での測定や、パルス内強度10 pps程度の超低強度ビームの利用が可能となっている。