WTSP03  ポスター①②  7月31日・8月1日 1F大会議室
筑波大学タンデム加速器施設の現状報告
Status report of the tandem accelerator complex at the University of Tsukuba
 
○笹 公和,石井 聡,高橋 努,大和 良広,吉田 哲郎,中沢 智幸,松村 万寿美,森口 哲朗(筑波大応用加速器)
○Kimikazu Sasa, Satoshi Ishii, Tsutomu Takahashi, Yoshihiro Yamato, Tetsuro Yoshida, Tomoyuki Nakazawa, Masumi Matsumura, Tetsuaki Moriguchi (UTTAC, Univ. Tsukuba)
 
筑波大学タンデム加速器施設(UTTAC)では、6MVタンデム加速器と1MVタンデトロン加速器からなる複合タンデム加速器施設の維持管理と運用及び学内外との共同利用研究を実施している。2024年3月末における研究課題は、6MVタンデム加速器で13件(学内8件、学外5件)、1MVタンデトロン加速器で7件(学内3件、学外4件)が承認されている。6MVタンデム加速器については、2023年度に96日間の実験を実施しており、加速器運転時間は1021.5時間、ビーム加速時間は832.3時間であった。前年度と比較するとビーム加速時間は82.4%に減少した。2023年10月末の低圧配電盤改修工事において、200Vの分電盤に400Vが供給される配線工事トラブルがあった。これが原因となり、配電盤や加速器昇圧用チェーンを駆動するインバーター電源などの機器に損傷が発生して、約2か月間の加速器稼働停止の期間があった。2024年3月の加速器定期整備では、ターミナル真空計用の光ファイバーケーブルの交換やノイズ対策としてリン青銅のシェル-ターミナル接触子を取り付けた。6MVタンデム加速器の主な利用分野は、加速器質量分析(利用割合63%)、原子核実験(20%)、イオン照射実験(7%)、イオンビーム分析(4%)などとなっている。加速イオンは全部で13種類であった。Pb-210のAMS開発におけるPbイオンや偏極重陽子の加速が新たにおこなわれた。本発表では、2023年度の筑波大学タンデム加速器施設の整備及び運用状況について報告する。