WEP093  ポスター①  7月31日 3Fホワイエ 13:00-15:00
QST量医研サイクロトロン(NIRS-930)用小型ECRイオン源の復旧1
Restoration of compact ECR ion source for NIRS-930 cyclotron at QST-iQMS
 
○村松 正幸,涌井 崇志,北條 悟,杉浦 彰則(量研-量医研),岡田 高典,神谷 隆(加速器エンジニアリング)
○Masayuki Muramatsu, Takashi Wakui, Satoru Hojo, Akinori Sugiura (QST-iQMS), Takanori Okada, Takashi Kamiya (AEC)
 
量子科学技術研究開発機構(QST)量子医科学研究所(量医研)のサイクロトロン施設には、1974年に運転開始したNIRS-930 (K=110)と、1994年に運転を開始した放射線核種(RI)生産専用として利用しているHM-18(K=20) の2台のサイクロトロンがある。2021年11月の火災によりNIRS-930とHM-18は共に停止していたが、まずはHM-18の復旧作業を進め、2022年9月より供給運転を行っている。 NIRS-930では核医学、生物学、物理学分野における基礎科学・応用研究のためにビームの供給を行っていた。主に利用されていたイオン種は陽子、ヘリウムであり、また、炭素、ネオンなどの重イオンの供給も行っていた。これらのイオンの生成には、永久磁石のみで閉じ込め磁場を形成するECRイオン源(Kei-source)を使用している。Kei-sourceも火災の被害を受けており、主に煤の汚れとそれによる部品表面の腐食であるが、火災発生時の温度上昇による樹脂部品や永久磁石の劣化も考えられた。そこで、イオン源の復旧に向けて、永久磁石の磁場測定を行い減磁していなければ再利用することとした。ホールプローブを用いた磁場測定を行った結果、ミラー磁場、6極磁場に減磁は無く再利用可能であることが分かった。本発表では、磁場測定結果と引出電極部分の改造について報告する。