WEP092  ポスター①  7月31日 3Fホワイエ 13:00-15:00
2次粒子生成標的のための金属3Dプリンタにより造形されたタングステン材の評価 (2)
Evaluation of tungsten made with 3D printer for secondary-particle production target (2)
 
○渡邉 丈晃(KEK)
○Hiroaki Watanabe (KEK)
 
J-PARCハドロン実験施設では、30GeVに加速された陽子ビームを金属標的へ照射し、そこで生成されるK中間子等の2次粒子を利用したバラエティーに富んだ原子核・素粒子実験を遂行している。標的の素材としては、2次ビームの要請などから高密度の金属が望ましく、次期標的として円盤形状のタングステンが1つの候補素材となっている。しかし、タングステンは難切削材のため、放熱のためのフィン形状といった複雑な形状の機械加工は極めて困難である。これを解決する1つの方法として、積層造形(金属3Dプリンタ)によるタングステンの造形が考えられる。金属3Dプリンタであれば、相当複雑な形状でも実現可能であると期待される。しかしながら、金属3Dプリンタにより造形されたタングステン素材については、基本的な機械特性や物性については十分明らかにされていない。そこで、現在最も普及しているレーザー照射方式パウダーベッド型の金属3Dプリンタでタングステン素材の造形を行い、そこから各種試験片の製作を行った。さらに造形能力の実証のため3次元的なフィン形状を持つ円盤の造形試験を実施した。本発表では、前回に引き続き機械特性の評価結果およびフィン造形試験の結果について報告を行う。