WEP086  ポスター①  7月31日 3Fホワイエ 13:00-15:00
ビーム負荷パワーのビーム電流依存性から求めたPF-ARのロスファクター
Loss-factor measurement of the PF-AR by means of a dependence of beam-loading power on the beam current
 
○坂中 章悟,山本 尚人,内藤 大地,高橋 毅,高井 良太(高エネルギー加速器研究機構)
○Shogo Sakanaka, Naoto Yamamoto, Daichi Naito, Takeshi Takahashi, Ryota Takai (KEK)
 
PF-ARは大電荷(約63 nC)の単一バンチを蓄積し、時分割実験等のために大強度の硬X線を供給する放射光リングである。PF-ARはバンチ電荷が大きいため、バンチが空洞などの構造体を通過する際に失う電力(寄生モード損失)が大きい。このため、寄生モード損失の大きさを示すロスファクターの値は重要である。文献[1]では、ビームが空洞内から持ち去るパワー(ビームパワー)のビーム電流依存性から電子蓄積リングのロスファクターを求める手法が報告されている。この方法では、RFシステムにおいてビームがRF空洞内から持ち去るパワーを様々なビーム電流に対して測定し、これをビーム電流の2次関数でフィットする。ビームパワーのうち、シンクロトロン放射損失による寄与はビーム電流に比例するのに対して、寄生モード損失による寄与はビーム電流の2乗に比例する。このビーム電流依存性の違いを利用して寄生モード損失パワーを分離し、ロスファクターを求める。我々はこの手法をPF-ARに適用し、リングの合計ロスファクターを求めた。本発表では、この手法で評価したPF-ARのロスファクターを報告し、得られた結果について議論する。 [1] N. Novokhatski, Proc. PAC07, MOOAKI02.