WEP084  ポスター①  7月31日 3Fホワイエ 13:00-15:00
高輝度エネルギー選択式放射光源リングにおけるバンチ伸張システムの検討
Design study of the bunch lengthening system for an energy switchable synchrotron ring
 
○山本 尚人,坂中 章悟(高エ研)
○Naoto Yamamoto, Shogo Sakanaka (KEK ACCL)
 
2.5/5.0GeVエネルギー選択式高輝度放射光源リングについてバンチ伸張システムの設計検討を行った。本リングでは、5.0GeVにて200mA蓄積可能であり、2.5GeVにおいても500mAを安定周回できる高周波システムが必要となる。想定するビームエミッタンスはエネルギー2.5GeV,5GeVに対し、それぞれ200pmradと1nmradである。また、リング周長は750mとした。この際、鍵となるのは2.5GeV運転においてもバンチ結合型ビーム不安定性を励振しない高性能な寄生モード減衰型空洞の採用と、2.5GeV運転時のバンチ伸張運転の両立である。バンチ伸張運転はIntrabeam Scatteringと大電荷孤立バンチ運転時のHead-tail不安定性の抑制が目的であり、目標となるバンチ伸張率は4倍となる。 検討では、SKEKBの陽電子ダンピングリングで実績のあるRF空洞(SKEKB DR空洞)を主空洞に、共振周波数1.5GHzのTM020空洞を高調波空洞としてシステム設計を行った。本発表では、まず主空洞の寄生モードによるバンチ結合型ビーム不安定性の解析的な見積もりを紹介する。次に、高調波空洞も含めた場合のAC Robinson不安定性に関する考察、及びこの不安定性を回避する高周波システム設計について述べる。さらに、バンチ伸張時に出現する特有の縦方向モード結合型ビーム不安定性に関する検討結果も併せて紹介する。