WEP083  ポスター①  7月31日 3F交流室A 13:00-15:00
SPring-8-II用真空機器の熱解析及び構造解析
Thermal and structural analyses of vacuum components for SPring-8-II
 
○鈴木 伸司,出羽 英紀,正木 満博,増田 剛正(JASRI),大石 真也,小路 正純,高野 史郎,田村 和宏(JASRI, 理研),谷内 友希子,上田 庸資(JASRI),渡部 貴宏(JASRI, 理研)
○Shinji Suzuki, Hideki Dewa, Mitsuhiro Masaki, Takemasa Masuda (JASRI), Masaya Oishi, Masazumi Shoji, Shiro Takano, Kazuhiro Tamura (JASRI, RIKEN), Yukiko Taniuchi, Yosuke Ueda (JASRI), Takahiro Watanabe (JASRI, RIKEN)
 
大型放射光施設SPring-8のアップグレード計画であるSPring-8-IIでは、省エネルギー化等の環境性能の向上とともに、電子ビームの低エミッタンス化による大幅な光源性能の向上を目指している。周長1435 mのSPring-8-II蓄積リングの真空系を構成する真空チェンバーには、偏向磁石中に設置される偏向部チェンバー(Bending Section Chamber: BSC)と多極磁石中に設置される直線部チェンバー(Straight Section Chamber: SSC)の、断面形状の異なる2種類のチェンバーがある。真空チェンバーは抵抗性インピーダンス及び放射光の入熱により発熱するため、水冷の必要性についての検討が必須であり、水冷が必要な場合には入熱分布、磁極形状等を考慮した上で最適な冷却チャンネルの構造、配置を決定しなければならない。真空チェンバーの定常状態での温度・応力分布を調べるため、有限要素法を用いた熱解析及び構造解析を行った。BSC、SSCともに水冷をしない場合には90℃以上に到達するが、水冷をした場合には40℃以下に抑えられることを確認した。また、真空引きによって生じる応力と発熱による熱応力は、材料であるステンレスの0.2%耐力以下であることを確認した。ビーム位置モニターやベローズなどのSPring-8-II用真空機器についても同様の解析を行い、設計の最適化を図った。本発表ではこれらSPring-8-II用真空機器の熱解析及び構造解析の結果について報告する。