WEP081  ポスター①  7月31日 3F交流室A 13:00-15:00
二重無酸素Pd/Ti蒸着を行った非蒸発型ゲッター(NEG) ポンプの開発と排気性能評価
Development and pumping performance evaluation of nonevaporable getter (NEG) pump with dual oxygen-free Pd/Ti deposition
 
○間瀬 一彦(KEK),菅野 隆之輔(横国大),菊地 貴司(KEK),西口 宏(バロックインターナショナル),大野 真也(横国大)
○Kazuhiko Mase (KEK), Ryunosuke Kanno (YNU), Takashi Kikuchi (KEK), Hiromu Nishiguchi (Baroque International Inc.), Shinya Ohno (YNU)
 
非蒸発型ゲッター(nonevaporable getter, NEG)は、超高真空中で加熱すると蒸発を伴わずに反応性の高い表面が生成し、室温に戻すと活性な残留ガスを排気する。反応性の高い表面を生成する工程を活性化、活性化に必要な温度を活性化温度と呼ぶ。NEGを用いた真空ポンプをNEGポンプと呼び、10–8 Pa台以下の超高真空排気に利用されている。我々が開発した新しいNEGである無酸素Pd/Tiは125℃、6時間のベーキングで活性化して、残留水素(H2)と一酸化炭素(CO)を排気し、大気導入、真空排気、ベーキングを繰り返しても排気性能は低下しない。無酸素Pd/Ti蒸着ICFゼロレングスNEGポンプは、溝加工を施したICFブランクフランジに無酸素Pd/Tiを蒸着して製作したもので、完全オイルフリー、専用電源不要、無振動、無騒音、スパッタ不要、10–9 Pa台まで排気可能、軽量、コンパクト、非磁性といった特徴がある。本研究では、溝加工を施したICF152ブランクフランジに無酸素Pd/Tiを2重に蒸着して、NEGポンプを製作した。本NEGポンプを150℃、6時間のベーキングで活性化したところ、H2に対して1650L/s、COに対して650L/sの初期排気速度が得られた。この排気速度は、従来品より高い。2重無酸素Pd/Ti蒸着によりPd表面積、Pd/Ti界面面積が増大したことが原因であると推測している。