WEP079  ポスター①  7月31日 3F交流室A 13:00-15:00
SuperKEKB加速器真空システムにおける機械学習を応用した圧力異常検知システムの検討 -その2-
Study on a pressure anomaly detection system applying machine learning for the SuperKEKB vacuum system -2-
 
○末次 祐介(高エネ研)
○Yusuke Suetsugu (KEK)
 
SuperKEKB加速器真空システムにおいて、機械学習を応用した圧力の異常検知システムを検討している。検知システムでは、まず、SuperKEKB主リングの真空計約600個各々について、調べたい期間の数日前の測定圧力を参照データとし、経験や知見等に基づいたモデルを使い回帰曲線を導く。そして、調べたい期間の測定圧力(調査データ)と導出した回帰曲線との二乗平均平方根誤差などを入力パラメータとして2層の順伝搬型ニューラルネットワーク(FNN)を構築し、過去の異常データから学習して調査データを「正常」と「異常」にクラス分けする。昨年(2023年)は、2021-2022年運転時のデータ使った模擬試験を通して、圧力異常の兆候を検知できることを報告した。今回、機械学習で一般的に用いられるTensorFlow上のライブラリーKerasを使用することで入力パラメータを単純化し、また数を増やす等改良を加えた。さらに、異常な事例について、参照データおよび調査データの回帰曲線の重みパラメータ等を入力パラメータとして異常の原因、例えば、リーク、異常放電などを推定するFNNを追加した。プログラムは今期2024年4月から実機運転で試用を開始し、リークの兆候を検知するなどの成果がみられている。一方、原因推定に関して改善の余地も明らかとなっている。ここでは、これまでの開発・試用状況等を報告する。