WEP076  ポスター①  7月31日 3F交流室A 13:00-15:00
レーザープラズマ航跡場入射用極短パルス線型加速器の低電力高周波システム試験
Test of a low power RF system for a linac for ultrashort pulsed electron beams injection into laser plasma wakefields
 
○増田 剛正(阪大産研, 高輝度光科学研究センター),益田 伸一,熊谷 教孝,大竹 雄次(高輝度光科学研究センター)
○Takemasa Masuda (SANKEN Osaka Univ., JASRI), Shinichi Masuda, Noritaka Kumagai, Yuji Otake (JASRI)
 
我々は、極短パルス電子ビームを生成し、後段のレーザープラズマ航跡場に追加速入射するためのCバンド線型加速器の開発を進めてきた。許容される電子ビームのパルス長は、プラズマ加速のレーザー強度を落としたとしても30fs(rms)程度が最大であり、10fs(rms)以下であることが望まれる。今回、本プロジェクトで設計・製作したマスターオシレータ、マスタートリガー、高周波電力・位相制御装置(LLRF制御装置)、半導体増幅器を組み合わせて低電力高周波システムの総合試験を実施したので、その結果について報告する。この低電力高周波システムは、マスターオシレータからの5712MHzの信号をLLRF制御装置を通してパルス化し、電力および位相を制御して、その2.5µs幅で1mW程度の高周波信号を800W出力のGaN半導体増幅器を通してクライストロンを駆動できる電力レベルまでに増幅する。LLRF制御装置と半導体増幅器は、マスターオシレータから出力される79.3MHzの信号に同期したマスタートリガーで生成した30Hzの繰り返し信号により起動される。今回の試験において、LLRF制御装置の高周波電力・位相モニター機能を用いて本システムからの2.5µs幅850W出力パルスの測定を行なったところ、立ち上がり後1〜2.3µsのパルス内位相平坦度は1.3度、短時間のパルス毎の振幅ジッターと位相ジッターはそれぞれ0.03%(rms)、0.04度(rms)であるという結果が得られ、許容されるパルス長よりも短い値となった。