WEP064  ポスター①  7月31日 3F研修室A 13:00-15:00
時空間的に収束したイオンビームによる固体からのX線放出現象解明のための装置設計
Design for the clarification of X-ray emission phenomena from solids by spatio-temporally focused ion beams
 
○岡野 朱莉,大石 沙也加,劉 暢,熊谷 嘉晃,石井 邦和(奈良女子大学),ヂン タンフン,榊 泰直,小島 完興(量子科学技術研究開発機構)
○Akari Okano, Sayaka Oishi, Chang Liu, Yoshiaki Kumagai, Kunikazu Ishii (NWU), Thanh Hung Dinh, Hironao Sakaki, Sadaoki Kojima (QST)
 
 レーザー技術の発展により、レーザー駆動イオン加速器は近年注目を集めている。レーザー駆動によるイオンビームは、一般的な加速器のビームと性質が極端に異なる。一般的な加速器のイオンビームは直流電流ビームで1秒間に10^8〜10^10個程度であるのに対し、レーザー駆動のイオンビームは1ナノ秒程度の時間幅のパルスビームで同程度のイオン個数となる。この超短パルスイオンビームを物質に照射すると、大量のX線が放出されることが予測できる。  X線の放出現象を用いた分析手法として、蛍光X線分析(XRF)やX線回折法(XRD)、粒子誘起X線発光(PIXE)などが有名である。例えばPIXEでは、物質に陽子やヘリウムイオンなどのビームを照射すると、原子の内殻電離によって、その物質固有のX線が発生する現象を利用する。放出された特性X線を半導体検出器で測定することで、物質中に含まれている元素の量を求めることができる。  そこで、時空間的に集光されたレーザー駆動イオンビームを物質に照射した際、一般的な加速器のイオンビームと比較して、特性X線がどのように変化するのかに着目する。本報告では、レーザー駆動イオンビームとタンデム加速器によるイオンビームを照射したターゲットからのX線放出現象を比較するための実験装置の設計について述べる。