WEP063  ポスター①  7月31日 3F研修室A 13:00-15:00
表面相互作用のためのレーザー駆動加速を備えた超短パルスビーム入射装置の開発
Development of ultra-short-pulse beam injector with the laser-driven acceleration for interactions at surfaces
 
○大石 沙也加(奈良女子大学),榊 泰直,小島 完興,Dinh Thanhhung(量研),松本 悠耶,村川 真宙(九州大学),岡野 朱莉,石井 邦和(奈良女子大学)
○Sayaka Oishi (Nara Women's University), Hironao Sakaki, Sadaoki Kojima, Thanhhung Dinh (QST), Haruya Matsumoto, Mahiro Murakawa (Kyushu University), Akari Okano, Kunikazu Ishii (Nara Women's University)
 
重粒子線がん治療は、病巣に狙いを定めた照射が容易となり、体への負担が少ない治療である。しかし治療に必要なエネルギーを得るために高額な建設コストが問題となっている。そこで加速器の小型化による治療コストの減額を目指し、次世代重粒子線がん治療装置の入射器としてレーザー駆動型粒子線加速入射器の開発を行っている。 レーザー駆動イオン加速手法は、時間的かつ空間的に集束された極めて高強度なビームを創り出すために、放射線医学の分野においてFLASH効果等の実験に用いられている。しかし、この加速手法は一般的な加速器ビームとは異なり、ビーム中に多種のイオン(実験では不純物イオン)が多く含まれる欠点があり、実験精度を落としている。そこで、ビーム輸送系を利用して不純物イオンを飛行時間分析法とパルス電場を利用して取り出すことで、表面相互作用実験に向けた高強度ビームを創り出す。 本発表では、まず、レーザー駆動イオン加速の原理とビームの特徴を説明する。そして、飛行時間法とパルス電場によるイオン種の分離原理を示す。そして、量子科学技術研究開発機構関西研にて実施された10ナノ秒程度のパルス電場によるレーザー駆動イオンビームの高ピーク強度生成実験の結果について報告する。