WEP060  ポスター①  7月31日 2Fリハーサル室 13:00-15:00
KEK-PF高速パルスキッカーのためのSiC半導体スイッチを用いた高速パルス電源の開発と高繰り返し試験
High repetition tests of a prototype pulsed power supply using SiC-MOSFETs for a fast kicker system in KEK-PF
 
○篠原 智史,満田 史織,内藤 大地(KEK),奥田 貴史,中村 孝(NexFi Technology Inc.)
○Satoshi Shinohara, Chikaori Mitsuda, Daichi Naito (KEK), Takafumi Okuda, Takashi Nakamura (NexFi Technology Inc.)
 
放射光源加速器KEK-PFではカムシャフトバンチシステムの導入を計画しており、そのための高速パルスキッカーとそれを駆動するパルス電源が必要である。特にパルス電源には極めて高い性能が要求されるためパルス電源の新規開発がシステム実現の鍵となっている。具体的にはパルス電源は 500 A 100 ns幅の大電流短パルスを1 MHzで駆動することが要求され、これはサイラトロンなどの従来のスイッチングデバイスでは実現が困難である。そこでKEK-PFでは高繰り返しで短パルス出力可能なSiC-MOSFET半導体に注目し、パルス電源の開発を行ってきた。試作初号機開発では、NexFi Tech.社製の特注SiC-MOSFETスイッチングモジュールを使用し、10Hzの低繰り返し試験ではあるが500Aの大電流を0.2%以上の安定度で出力可能なパルス電源の構築に成功した。一方で初号機は高繰り返し運用に伴う発熱の対処やパルス電源パルサー部への充電能力が十分でなく100kHzを超えるような高繰り返し試験はできなかった。そこでパルサー部への供給電流を低減し発熱も軽減可能な、エネルギー回収回路を導入した試作次号機開発を行った。本発表では、新型パルス電源の設計や、エネルギー回収回路の性能、100kHzを超える高繰り返し試験時の電流出力とその安定性について報告する。