WEP055  ポスター①  7月31日 2Fリハーサル室 13:00-15:00
SPring-8-IIに向けたID光軸調整用ステアリング電磁石の開発
Steering magnet for ID photon beam axis tuning at SPring-8-II
 
○谷内 努,青木 毅,安積 則義,川瀬 守弘,田島 美典,増田 剛正,松原 伸一,山口 博史(JASRI),深見 健司,小路 正純,田村 和宏,渡部 貴宏(JASRI/理研)
○Tsutomu Taniuchi, Tsuyoshi Aoki, Noriyoshi Azumi, Morihiro Kawase, Minori Tajima, Takemasa Masuda, Shinichi Matsubara, Hiroshi Yamaguchi (JASRI), Kenji Fukami, Masazumi Shoji, Kazuhiro Tamura, Takahiro Watanabe (JASRI/RIKEN)
 
SPring-8からSPring-8-IIへの移行においては既存の挿入光源(ID)からの光軸を再現する必要があるが、長期的な床面変動で蓄積リングと放射光ビームラインの位置関係が変化した場合も光軸を維持し続けなければならない。そこで、セル両端付近のステアリング(ST)機能付き8極電磁石に加えてID上下流にもST電磁石を設置し、ID内にローカルバンプを作ることで光軸調整を行う事とした。ST電磁石はBPMとゲートバルブ間の真空ベローズ部を覆うように設置されるため設置スペースが限られており、隣接する4極電磁石との磁気干渉を最小限にするためにもコンパクトかつフリンジ磁場を抑えた形状が望ましい。さらに、内側の真空ベローズの機械中心とビーム軸は23 mmのオフセットがあるため、ST磁場中心を機械中心からシフトさせる設計や、磁場分布に影響を与えるベローズ溶接部の透磁率にも配慮が必要である。ST電磁石に要求される6 GeV電子ビームのキック角は60 μradであるが、隣接する4極電磁石との磁気干渉による積分磁場減やキック角にある程度の余力を持たせるため、空冷コイルの電流密度は2.2 A/mm2を目標とした。その際のコイル温度上昇を抑えるため、コイルの中間部に外部へ伸びる銅板を挟み込んで放熱板とした。本発表では、ID光軸調整用ST電磁石の設計および試作機の性能等について報告する。