WEP051  ポスター①  7月31日 2Fリハーサル室 13:00-15:00
Xバンド電子ビーム縦方向診断システムのためのSUS430製渦巻き型ダミーロードの開発
Development of a spiral-shaped dummy load made of SUS430 for the X-band transverse deflector system
 
○安留 健嗣(理研),稲垣 隆宏,前坂 比呂和(理研, 高輝度光科学研究センター),岩井 瑛人,近藤 力,大島 隆(高輝度光科学研究センター, 理研),松原 伸一,斗米 貴人(高輝度光科学研究センター)
○Kenji Yasutome (RIKEN), Takahiro Inagaki, Hirokazu Maesaka (RIKEN, JASRI), Eito Iwai, Chikara Kondo, Takashi Ohshima (JASRI, RIKEN), Shinichi Matsubara, Takato Tomai (JASRI)
 
X線自由電子レーザー線形加速器施設SACLAでは、電子ビームの縦方向密度分布を診断する装置として、分解能1 fsを目標としたXバンドの高周波ディフレクターシステムの開発を進めている。本システムでは電子ビームを、空洞に投入する20 MW程度の大電力マイクロ波が励起する電磁場により横方向に蹴り、空洞の下流に設置されている偏向磁石によりディフレクターの蹴り角と垂直方向に曲げる。この電子ビーム分布形状をスクリーンとカメラを用いて撮像することで、バンチの縦方向分布とエネルギー情報を同時に得ることができる。このシステムにおいては、空洞を通過したマイクロ波を出力側で適切に終端することで、マイクロ波が入力側に反射することを防ぐ必要がある。この目的のため、我々はSUS430製の渦巻き型ダミーロードの開発を進めている。SUSは銅に比べて電気伝導度が一桁程度小さいため、短い空洞で減衰させることができる。また、空洞の形状を渦巻き型にすることで、さらなる小型化が可能である。現在はダミーロードの試作機を製作中であり、6月初旬に完成する見込みである。試作機の性能評価の後、実機の製作を行う予定である。本発表では、ディフレクターシステムの概要を述べ、ダミーロード試作機を用いた低電力マイクロ波による反射特性の測定とシミュレーションとの比較について報告し、実機製作の展望を述べる。