WEP050  ポスター①  7月31日 2Fリハーサル室 13:00-15:00
蓄積リング高周波空洞用導波管真空封止セラミック窓の放電抑制
Suppression of discharge for a waveguide-type vacuum window in RF cavities of a storage ring
 
○山口 博史,大島 隆(高輝度光科学研究センター),早賀 紀久男(スプリングエイトサービス),安積 隆夫(量子科学技術研究開発機構),惠郷 博文(高エネルギー加速器研究機構),稲垣 隆宏(理化学研究所)
○Hiroshi Yamaguchi, Takashi Ohshima (JASRI), Kikuo Hayaga (SES), Takao Asaka (QST), Hiroyasu Ego (KEK), Takahiro Inagaki (RIKEN)
 
SPring-8では、次世代の蓄積リング高周波空洞としてTM020モードHOM減衰型高周波空洞と、本空洞に備わる結合度可変カプラーに接続する導波管で真空封止をするセラミック窓を開発してきた。本セラミック窓は、現在SPring-8で使用しているカプラー一体型のセラミック窓(東芝社製E4263)と比較して小型であるため、セラミックの冷却や破損時の交換が容易になり、かつ空洞結合部と機能を分離しているためにビーム負荷に応じて結合度を調整することが可能である点が特徴である。この空洞とセラミック窓は、3GeV高輝度放射光施設ナノテラスが蓄積リング高周波空洞として採用し、昨年から運転に使われている。 本セラミック窓の大電力試験において、セラミック窓の真空側で放電が頻繁に発生し、真空度が悪化するとともに高周波電力が反射してインターロックで停止するという問題が発生した。この放電は、特定の電力領域で特に起こりやすいので、セラミック表面での一面性マルチパクタ放電によるものではないかと推測している。この問題を解決するために、1) セラミックに垂直に磁場をかけること、および2) セラミック表面に二次電子放出係数(SEY)の小さい物質をコーティングすること、の2方法で放電を抑制することを考え、実際に試験を行った。本報告では、これらの方法による放電抑制の状況について報告する。