WEP046  ポスター①  7月31日 2Fリハーサル室 13:00-15:00
小型成膜炉を用いたNb3Sn成膜試験および膜質評価
Nb3Sn deposition test using a small deposition furnace and film quality evaluation
 
○井藤 隼人,山田 智宏,梅森 健成,阪井 寛志(KEK),笠間 奏平(東北大学)
○Hayato Ito, Tomohiro Yamada, Kensei Umemori, Hiroshi Sakai (KEK), Sohei Kasama (Tohoku University)
 
Nb3SnはNbに比べて約2倍高い転移温度を持つことから、これまでNb空洞が2Kの温度で達成していた高Q値を4Kの温度で実現することができ、液体ヘリウムを用いない伝導冷却での加速器運転も可能とする。また、臨界磁場もNbに比べて約2倍高いため、将来的にはNb空洞の2倍高い加速勾配も期待できる。これらの観点から、Nb3Snは次世代超伝導加速空洞の材料として有望視されている。 KEKでは世界でも主流となっている蒸気拡散法によるNb3Sn空洞製造の研究を進めている。本手法はNb空洞内でSnCl2やSnを加熱・蒸発させることで空洞内面にNb3Sn膜を成膜する手法であるが、製造した空洞内面のNb3Sn膜質を直接詳細に分析することは技術面、コスト面から考えて難しい。そこで今回、蒸気拡散法により成膜されたNb3Sn膜の膜質と成膜パラメータの関係の理解を早め、Nb3Sn空洞製造研究全体のスループットを高めるために、サンプル成膜用の小型成膜炉を立ち上げ、サンプルに対するNb3Sn成膜試験を開始した。本発表では、サンプルに対する成膜試験の概要と成膜したNb3Sn膜の表面・断面分析、超伝導特性評価の結果について報告する。