WEP037  ポスター①  7月31日 2F交流ラウンジ 13:00-15:00
eBPFを用いたEPICSアプリケーションの監視ツールの検討
Investigation of monitoring tools for EPICS application using eBPF
 
○佐々木 信哉(KEK)
○Shinya Sasaki (KEK)
 
EPICSは加速器の制御システム構築のために広く利用される、ネットワーク分散型制御システムを構築するためのフレームワークである。EPICSではI/O Controller (IOC) 上でEPICSアプリケーションを実行し、所望の制御システムを構築する。制御システムの安定な動作や、トラブル時の原因究明のためにもEPICSアプリケーションの動作を監視することは重要である。EPICSアプリケーションの監視にはデバイスサポートなどのサポートモジュールをIOCに組み込んで行うことが多い。例えば、IOCの状態を表すレコードを提供するiocStatsや、IOCに対するChannel Access Putの操作を記録するためのCaPutLogなどが利用される。しかし、サポートモジュールを利用する場合、監視したいEPICSアプリケーションの実行前にモジュールを組み込んでおく必要がある。また、監視したい内容によってはサポートモジュールで行うには難しい場合もある。そこで、Linuxカーネルで提供されるeBPF機能を用いた監視ツールを検討した。eBPFを利用する事で、サポートモジュールでは実現しにくい監視をEPICSアプリケーションそのものに手を加えずに実現できる。また、事前にEPICSアプリケーションに組み込む必要がないため、EPICSアプリケーションの実行後にeBPFプログラムを起動して監視を行うことができる。本稿ではEPICSアプリケーションの監視にeBPFを用いる利点および欠点を考察し、作成したeBPFプログラムに関して報告する。