WEP031  ポスター①  7月31日 2F交流ラウンジ 13:00-15:00
PF-ARにおけるmiddle-low-emittance opticsの適用
Application of the middle-low-emittance optics to PF-AR
 
○東 直,長橋 進也,満田 史織(KEK)
○Nao Higashi, Shinya Nagahashi, Chikaori Mitsuda (KEK)
 
PF-AR (Photon Factory Advanced Ring)は6.5 GeVもしくは5 GeVの放射光加速器であり、年間2000時間前後のユーザー運転を行っている。 これまでPF-ARは293 nmというエミッタンスで運転を続けてきたが、ノーマルセルの位相進みを最適な値に設定できれば、元のおよそ半分程度である163 nmまで抑制できる。2000年代初頭にこの実現を目指す試みが何度かおこなわれたものの、真空リークやFB用アンプの故障などのトラブルに見舞われ、中断を強いられていた。 2017年より、PF-ARの入射路がSuperKEKBから独立し、リングエネルギーと同じ6.5 GeVで入射が可能となった。これにより、ramp-upに伴う種々の不安定性から開放され、低エミッタンスopticsの実現性がより高まった。 しかし2000年代初頭に発生したハードウェアの故障を未然に防ぐための措置として、放射光による真空リークを防ぐためのマスクがRF空洞近傍に設置された。これにより元の低エミッタンスopticsでは十分な物理apertureを確保することができなくなった。 そこで今回、このRFマスクの存在を考慮しつつ、293 nmと163 nmの間となるような中程度の低エミッタンスになるようなopticsを検討、実際の運転に適用した。今回はこのopticsと適用に至るまでの試行、現在の運用状況そして今後の課題について報告する。