WEP020  ポスター①  7月31日 1F大会議室 13:00-15:00
非回転型重粒子線ガントリーの概念検討
 Conceptual study of non-rotating heavy-particle irradiation gantry for cancer therapy
 
○渡辺 薫,福田 光宏,依田 哲彦,神田 浩樹,斎藤 高嶺,田村 仁志,安田 祐介,友野 大,荘 浚謙,ZHAO HANG,松井 昇大朗,Shali Ahsani Hafizhu,井村 友紀,石畑 翔,板倉 菜美(阪大 RCNP)
○Kaoru Watanabe, Mitsuhiro Fukuda, Tetsuhiko Yorita, Hiroki Kanda, Takane Saitou, Hitoshi Tamura, Yusuke Yasuda, Dai Tomono, Tsum Him Chong, Hang Zhao, Syotaro Matsui, Ahsani Hafizhu Shali, Tomoki Imura, Sho Ishihata, Nami Itakura (RCNP Osaka Univ.)
 
重粒子線治療は,炭素線を用いて体内のがん細胞を死滅させる非常に効果的ながん治療法の一種で、重粒子線のブラッグピークを腫瘍患部位置に合わせることで治療を行う。重粒子線は,X線や陽子線に比べて線量集中性が高く生物学的な効果が高い。粒子線治療では,粒子が通過する領域にある健康な細胞へのダメージを最小限にするために,複数の異なる角度からの照射で治療が行われる。そこで,照射方向の変更のために、回転型ガントリーが用いられてきた。しかし、重粒子線の場合、磁気剛性が最大6.6Tmにも及ぶため回転ガントリーの大型化が避けられなかった。今回の概念検討では,粒子の偏向面内の方位角方向に複数の小型超伝導電磁石を配置し、粒子軌道に沿った磁場分布を調整することで、ガントリー自体を回転させることなくビームを最適な治療角度に誘導する照射システムの概念検討を行った。これにより、従来の重粒子線用回転ガントリーよりもコンパクトで制御性に優れた照射システムによる高効率な治療が期待される。今回は、この非回転型ガントリーの機器構成や磁場分布及びビーム輸送解析などについて発表する。