WEP015  ポスター①  7月31日 1F大会議室 13:00-15:00
大強度イオンビーム用ペッパーポット型エミッタンス測定器開発の現状
Current status of developing pepper-pot emittance monitor for high-intensity ion beam
 
○小高 康照,鎌倉 恵太,山口 英斉,今井 伸明,酒見 泰寛(原子核科学研究センター),大西 純一(仁科加速器科学研究センター),松崎 浩之(東京大学タンデム加速器研究施設)
○Yasuteru Kotaka, Keita Kamakura, Hidetoshi Yamaguchi, Nobuaki Imai, Yasuhiro Sakemni (CNS), Jun-ichi Ohnishi (RIKEN Nishina center), Hiroyuki Matsuzaki (MALT)
 
東京大学原子核科学研究センターにおいてフランシウム(Fr)の電気双極子能率を世界最高精度で測定する研究が進んでいる。Frは理研AVFサイクロトロンで加速された酸素18イオンビームを金標的に照射し、核融合反応により生成する。このために要求されるビーム強度は3pμA以上であるが、実験装置に繋がるビームラインにこのような大強度ビームを輸送するとビーム輸送効率が約60%に低下する。この問題を解決するために大強度イオンビーム用ペッパーポット型エミッタンス測定器(PEM)開発を進めている。エミッタンス測定値を初期値としたビーム軌道計算の場合は計算結果に測定誤差が影響する。PEMの測定誤差を評価するため東京大学タンデム加速器施設においてビーム照射テストを行った。直線ビームライン上の異なる3つの位置のビーム分布から推定したエミッタンスは誤差が無視できると仮定し、これに測定誤差を導入したエミッタンスを初期値としたビーム軌道計算を行い、PEMのエミッタンス測定値を初期値としたビーム軌道計算結果と比較した。今回使用した測定器の場合は位置誤差0.1mm、角度誤差0.6mradで説明ができる結果が得られた。またこの測定誤差を小さくする手段としてPEMの蛍光板で発光するビーム像を撮影するカメラ画素数増とカメラ視野拡大の組み合わせの最適化を進めており、その進捗も報告する。