WEP009  ポスター①  7月31日 1F大会議室 13:00-15:00
炭素線スキャニングビームによる位置モニタ劣化
Degradation of position monitoring by carbon scanning beam
 
○佐藤 亜都紗,勝間田 匡,小林 泉,菅藤 洋平,大内 章央,永井 恭平,李 潤起,橋本 勝則(加速器エンジニアリング株式会社),想田 光,李 聖賢,岩井 岳夫,宮坂 友侑也(山形大学大学院医学系研究科先進的医科学専攻重粒子線医学講座)
○Azusa Sato, Masashi Katumata, Izumi Kobayashi, Yohei Kanto, Fumihisa Ouchi, Kyohei Nagai, Junki Lee, Katunori Hashimoto (AEC), Hikaru Souda, Sung Hyun Lee, Takeo Iwai, Yuya Miyasaka (Yamagata university)
 
山形大学医学部東日本重粒子センターでは2021年から治療が開始され、2023年度には年間治療人数が662人となり年々治療件数は増加傾向である。そのため、より安定したビーム供給が使命であり、それらを支える装置側でも計画的な部品交換をすることが重要である。特に放射線による経年劣化については、ビーム位置とサイズを担保するモニタで顕著に見えており、すでに交換を実施している。本施設での炭素ビームは、ビームを走査するスキャニング電磁石下流に設置された位置モニタで位置とサイズを担保している。位置モニタとは、平面電極と複数本のワイヤー間に高電圧を印加し、ビームが通過した際に生じる電離ガスと電子を増幅し、信号として取り出す多線式比例計数管方式の非破壊型位置検出器(MWPC)である。位置モニタはリアルタイムでビームを監視し、測定された位置ずれ量からフィードバック制御でビーム位置を補正しており、本施設ビーム制御の要である。位置モニタ劣化は平面照射において、特に照射頻度の高い中心部分での感度低下として観測された。それによって、フィードバック制御が過度に働き、線量が中心部で高くなる不具合が発生し、2部屋それぞれについて運用開始から1-2年で交換を実施した。このような不具合を未然に防ぐために、位置モニタでは中心部分の感度をトレンドで管理することで、次回の交換時期を早期に見積もり、効率的な運用を可能とする。