WEP007  ポスター①  7月31日 1F大会議室 13:00-15:00
ビーム位置モニター用信号取り出し端子の破壊現象
Breakdown phenomenon of signal extraction pickups for beam-position monitors
 
○諏訪田 剛,柿原 和久,宮原 房史(KEK加速器)
○Tsuyoshi Suwada, Kazuhisa Kakihara, Fusashi Miyahara (Acc. Lab., KEK)
 
2023.July.31夕刻、入射器第3スイッチヤードにあるSKEKB陽電子エネルギー圧縮部中央に位置するビーム位置モニター(BPM)の信号取り出し端子から真空リークが発生した、との一報を受けた. 夏期保守中であったことが不幸中の幸いであった. BPMをビームラインから取り出し当該リーク端子を取り外し、SUS板を溶接することで真空封じをした後、三端子BPMとして元に戻した. その後、予備機を至急発注し、冬期保守中に予備機と交換した. その後当該BPMは問題なくSKEKB運転に供している. 入射器では同様な120台以上ものBPMを運転に使用しているが、これまでBPM端子からのリークの経験は無かった. もし、原因が端子の構造問題に関わるのであれば、大きな問題に発展する可能性があり、早急に原因特定に取り組むことにした. 端子はSMAのセラミック付き真空フィードスルーである. リークはセラミックの機械的破壊によるものであった. 以降、BPMのリーク端子と他三端子を取り外し、また別に無垢の端子を準備し、端子に対し荷重試験を実施した. この試験により、真空パージ時に、端子に激しい振動が加わり劣化を引き起こし破壊に至った、とのシナリオが強く示唆された. この現象はBPMに限らず、加速器では広く用いられているセラミック材料に対する取り扱いとして重要と思われる. 破壊に至った経緯とその調査結果について詳細を報告する.