WEP006  ポスター①  7月31日 1F大会議室 13:00-15:00
J-PARC遅い取り出し運転における高繰り返し化のための縦方向ビームシミュレーション
Longitudinal beam simulation for a high repetition cycle J-PARC slow extraction
 
○冨澤 正人,淺見 高史,武藤 亮太郎,清矢 紀世美,杉山 泰之(KEK/J-PARC),田村 文彦(J-PARC/JAEA)
○Masahito Tomizawa, Takashi Asami, Ryotaro Muto, Kiyomi Seiya, Yasuyuki Sugiyama (KEK/J-PARC), Fumihiko Tamura (J-PARC/JAEA)
 
J-PARCメインリングでは、加速、立ち下がり時間を短くして加速パターンの繰り返しを上げることにより、ビーム出力をアップする改造を実施した。ニュートリノ振動実験のための速い取り出し運転では、繰り返し時間が2.48秒から1.36秒に短縮されたパターンでの運転を開始した。一方遅い取り出しを利用するハドロン実験においては、2.61秒のフラットトップ時間の変更はせず、速い取り出し運転と同じ加速と立ち下げ時間により繰り返しを5.2秒から4.24秒に短縮する方針とした。遅い取り出し運転においては、取り出し前のデバンチ過程で発生する横方向のビーム不安定性の抑制のために縦方向のエミッタンスを大きくする必要があり、このためにビーム入射時にRF位相にオフセットをつけている。さらにフラットトップでRF電圧を2段階でゼロにする操作が有効である。加速時間は速い取り出しと同じ1.4秒から0.65秒へ短縮されるが、必要なRF電圧が高くなることによるビームエミッタンスや運動量の広がりへの影響をいくつかのRF電圧パターンについて自作のシミュレーションコードにより評価した。シミュレーションの結果から提案されたRF電圧パターンは、現在の30 GeV、80 kWでの遅い取り出し運転に用いられている。