WEP002  ポスター①  7月31日 1F大会議室 13:00-15:00
J-PARC MRビームのエミッタンス制御のための50-80MHz空洞
50-80MHz RF cavity for emittance control of J-PARC MR beam
 
○大森 千広(高エネルギー加速器研究機構/J-PARCセンター)
○Chihiro Ohmori (KEK/J-PARC Center)
 
J-PARC MRは高周波システムや電磁石電源などのアップグレードにより繰返し周期を1.36秒とし760kWのビーム運転を実現した。また遅い取り出し運転の周期も4.24秒となり80kWビームをハドロン実験施設に供給している。今後HyperK実験に向けビーム強度を1.3MWへ増強することを計画している。この際、加速器の近くに設置されるNear Detectorでは水チェレンコフ検出器が考えられており、ニュートリノ強度が高いため検出のパイルアップが懸念されている。これを防ぐために取り出しビームエミッタンスを増加させるなどによりピーク強度を下げることが望ましい。シンクロトロンでは様々な手法によりエミッタンス制御を行っているが、ここでは高調波を用いた手法について述べる。この高調波空洞は金属磁性体空洞と短い同軸管を組み合わせることで、加速中の高調波周波数変化に対応できるため、早い加速周期と両立できる。この手法で使用する高調波空洞はSX運転においてビーム入射時のエミッタンス分布をなめらかにし、加速後のデバンチ時のエミッタンスを広げることにも応用が可能である。