WEOT06  電子加速器  7月31日 テルサホール 17:00-17:20
t-ACTS電子銃の光陰極化に向けたレーザーシステムの構築
Development of a fiber laser system for a photo-injector of t-ACTS facility, Tohoku University
 
○工藤 滉大,柏木 茂,日出 富士雄,武藤 俊哉,南部 健一,長澤 育郎,高橋 健,柴田 晃太朗,山田 悠樹,Kavar Anjali,安彦 颯人,濱 広幸(東北大先端量子)
○Kodai Kudo, Shigeru Kashiwagi, Fujio Hinode, Toshiya Muto, Kenichi Nanbu, Ikuro Nagasawa, Ken Takahashi, Kotaro Shibata, Hiroki Yamada, Anjali Kavar, Hayato Abiko, Hiroyuki Hama (RARIS)
 
東北大学先端量子ビーム科学研究センター(旧電子光理学研究センター)の試験加速器t-ACTS(test Accelerator as Coherent THz Source)ではCeB6を熱陰極としたRF電子銃を採用しているが,コヒーレント放射の出力増強や共振器型FELの応用研究などを見据えて1バンチあたりの電荷量を増加させるため,及び光共振器との同期を得るため,CeB6あるいはCuを光陰極として利用することを計画している。現在のt-ACTSでは1バンチあたり5pCが得られており,50pCまでの増加を目標としているが,熱陰極で電荷量を増加させようとするとバックボンバードメントが大きくなるため,電子銃を安定に運転することが困難になる。光陰極ではレーザー照射のタイミングによって光電子放出のタイミングをRFの加速位相に限定できるため,バックボンバードメントを抑制して電荷量を増加させることができる。光陰極化にあたり励起レーザーをRF周波数(2856MHz)で発振させることは難しいため,マクロパルスあたりのバンチ数は減少する。しかし,コヒーレント放射の強度は1バンチあたりの電荷量の2乗に比例するので,1バンチあたりの電荷量を増加させることは非常に有効である。レーザーシステムはYbファイバーレーザー発振器(発振波長1047nm),マルチパス増幅器,4倍高調波発生(262nm)で構成する。現在は発振器の組み立てが完了し,RFとの同期作業に着手している。本発表ではレーザーシステム構築の進捗状況について報告する。