WEOT04 加速器制御 7月31日 テルサホール 16:10-16:30 |
SACLAにおけるグリッド電圧波形データを用いたサイラトロンの異常検知ソフトウェアの開発 |
Development of software to detect anomalies of thyratrons using grid voltage waveform data in SACLA |
○佐藤 伸行(中央電子(株)),岩井 瑛人(高輝度光科学研究センター、理研RSC),前坂 比呂和(理研RSC、高輝度光科学研究センター),安留 健嗣(理研RSC),近藤 力(高輝度光科学研究センター、理研RSC),稲垣 隆宏(理研RSC、高輝度光科学研究センター) |
○Nobuyuki Sato (CHUO ELECTRONICS CO., LTD.), Eito Iwai (JASRI, RIKEN RSC), Hirokazu Maesaka (RIKEN RSC, JASRI), Kenji Yasutome (RIKEN RSC), Chikara Kondo (JASRI, RIKEN RSC), Takahiro Inagaki (RIKEN RSC, JASRI) |
SACLAのパルス大電力高周波源の大電力スイッチであるサイラトロンは、寿命が比較的短く個体差が大きい。そのため、製品寿命による劣化や故障の際の交換作業が頻繁に発生する。サイラトロンが劣化するとグリッド電圧波形が変化することが分かっているため、その波形からサイラトロンの劣化の進み具合が推定できないかと考えた。サイラトロンの劣化度を自動で指標化・可視化できれば、ユーザ利用の合間の調整時間に計画的にサイラトロンの交換作業を行うことなどにより、突然の故障によるダウンタイムを低減できる。そこで我々は、これまで蓄積したグリッド電圧波形を利用し、機械学習の手法によりサイラトロンの劣化度を推定することができるか検討を行った。機械学習の出力からはサージ電圧の増加と劣化度に関連性が高いことが示唆された。これはサイラトロンの動作メカニズムからも妥当なものである。この結果を元に、サイラトロンの劣化度を推定するとともに、推定使用時間(運転時間)を併せて出力するソフトウェアを制作した。制作したソフトウェアにより、サイラトロンの交換作業にかかる保守業務を補助し、加速器施設の安定稼働に資することが期待される。今後、このソフトウェアをSACLAの加速器全体に展開していく予定である。本発表では、これらの取り組みに関して、制作したソフトウェア、および、評価結果について報告する。 |