WEOA03  加速器応用・産業利用  7月31日 アプローズ 15:50-16:10
XバンドLINACを用いた屋外使用可能な非破壊検査用3.95MeV小型X線源の開発
Development of 3.95MeV small X-ray source using X-band LINAC system for field use NDT
 
○吉田 昌弘,山田 貴典,石渡 淳平,尾崎 健人,森重 晶,栗原 嵩司,林 太一,長谷川 大祐(金属技研),山本 昌志(オメガソリューションズ),田中 常稔,川副 貴裕(アトックス)
○Masahiro Yoshida, Takanori Yamada, Junpei Ishiwata, Kento Ozaki, Akira Morishige, Takashi Kurihara, Taichi Hayashi, Daisuke Hasegawa (MTC), Masashi Yamamoto (Omega Solutions), Tsunetoshi Tanaka, Takahiro Kawazoe (ATOX)
 
高度経済成長期に建設されたトンネルや橋梁などの社会インフラ設備は、その多くが建設からすでに50年以上経過しており、現在、それらを適切に維持管理し有効活用するための検査技術の開発が盛んに行われている。橋梁の点検では、外観の目視検査や打音検査が基本となっており、点検により不具合箇所が確認された場合、詳細調査が実施される。詳細調査において重大な損傷を見逃さず、適切な補修を行う上で、高精度な非破壊検査技術が求められている。また、2013年に道路法が改正され、道路構造物の点検を5年に1回の頻度で実施することが義務化されたこともあり、高精度な非破壊検査技術の実用化が急務となっている。高エネルギーX線を用いた鉄筋コンクリート橋梁に対する非破壊検査技術の開発では、9.3GHz帯のXバンドマグネトロンを用いた3.95MeV小型電子ライナックによる東大と土木研の先行研究により、従来のX線管のエネルギー領域では視覚化が困難であった厚い鉄筋コンクリートの内部観察が可能であることが示された。本発表では、国内に多く存在するPC橋梁の箱桁部分のマンホールを通過できるサイズを基準として装置を小型化し、配線共通化による現場での運用性の向上、移動時に想定される衝撃対策、粉塵・防水対策といった厳しい屋外環境での加速器システムの使用を考慮した3.95MeV小型X線源の実用機開発について報告する。