THP080  ポスター②  8月1日 3Fホワイエ 13:00-15:00
非常に小さいモーメンタムコンパクション因子を持つ蓄積リングにおける横方向ビーム不安定性の解析的研究
Analytical study of transverse beam instabilities in a storage ring with a very low momentum compaction factor
 
○中村 典雄(高エネ研)
○Norio Nakamura (KEK)
 
KEKでは次期光源としてPF-HLS光源 (HLS: Hybrid Light Source)[1,2]を設計検討している。PF-HLSでは、蓄積リング内を周回しているビームからの放射光及び超伝導リニアックから入射される極短バンチを持つビームからの放射光という複数の放射光ビームの同時利用を行う。PF-HLSリングでは単純な多バンチ運転だけでなく、孤立バンチと多バンチ群を含むフィルによる運転が求められている。また、入射される極短電子バンチが通過するリング内でそのバンチ長が極力維持できるようにPF-HLSリングは非常に小さいモーメンタムコンパクション因子を持っている。このような小さいモーメンタムコンパクション因子を持つ蓄積リングでは通常のリングと比べてシングルバンチなどの横方向ビーム不安定性の電流閾値は低くなる傾向にある。本発表では、PF-HLSリングでのシングルバンチ及びマルチバンチの横方向ビーム不安定性について解析的な方法を使って研究した結果について報告する。また、クロマティシティやバンチ長などによる影響とそれらによる横方向ビーム不安定性の抑制効果についても述べる。 [1] K. Harada et al., J. Synchrotron Rad. 29, 118-124 (2022). [2] Photon Factory Hybrid Light Source(PF-HLS) Conceptual Design Report (CDR) ver. 1 (2024).