THP079  ポスター②  8月1日 3Fホワイエ 13:00-15:00
NEGコーティング真空パイプのインピーダンス解析とPF-HLSリングへの応用
Impedance analysis of NEG-coated vacuum pipes and its application to the PF-HLS ring
 
○中村 典雄(高エネ研)
○Norio Nakamura (KEK)
 
NEGコーティング真空パイプは放射光源を含む加速器の真空度向上のために世界的に利用されている。しかし、NEGはパイプ金属よりも電気伝導率が低いためにインピーダンスへの影響を予め評価しておく必要がある。本発表では、最初にNEGコーティングされた円形真空パイプのインピーダンスを求める解析式[1]を示す。この解析式から直接インピーダンスを正確に計算することができるが、高周波領域で計算機の機械精度の限界によって問題が発生する。この高周波領域での問題は解析式の中に現れるベッセル関数の漸近展開を使うことで解決できることを次に示す。結果として全周波数領域でインピーダンスを計算できる。KEKで次期光源として設計されているPF-HLS (HLS: Hybrid Light Source)[2,3]でも、NEGコーティングを使用することが検討されている。PF-HLSでは、リング内を周回している電子ビームからの放射光及び超伝導リニアックから入射される極短バンチを持つ電子ビームからの放射光を同時利用する。ここでは、上の解析をPF-HLSリングに応用してNEGコーティングのインピーダンスへの影響を評価するとともに、ダクトの発熱やビーム不安定性などへの影響についても調べる。 [1] N. Nakamura, J. Phys.: Conf. Ser. 874, 012069 (2017). [2] K. Harada et al., J. Synchrotron Rad. 29, 118-124 (2022). [3] Photon Factory Hybrid Light Source Conceptual Design Report ver. 1 (2024).