THP077  ポスター②  8月1日 3F交流室A 13:00-15:00
放射光ビームライン用4象限スリットへの 無酸素Pd/Ti非蒸発ゲッター蒸着
Oxygen-free Pd/Ti Nonevaporable Getter Deposition on Quadrant Slits for Synchrotron Radiation Beamlines
 
○菊地 貴司,片岡 竜馬,田中 宏和(高エネ研),若林 大佑,大東 琢治(高エネ研、総研大),石井 晴乃,仁谷 浩明(高エネ研),間瀬 一彦(高エネ研、総研大)
○Takashi Kikuchi, Ryoma Kataoka, Hirokazu Tanaka (KEK), Daisuke Wakabahashi, Takuji Ohigasi (KEK,SOUKENNDAI), Haruno Ishii, Hiroaki Nitani (KEK), Kazuhiko Mase (KEK,SOUKENNDAI)
 
超高真空中で加熱すると反応性の高い表面が生成し、残留ガスを排気する材料を非蒸発型ゲッター(nonevaporable getter, NEG)と呼ぶ。真空容器の内面にNEGを蒸着すると、真空容器からの脱ガスが減少するとともに、ベーキング後にNEG蒸着膜が活性な残留ガスを排気する。また、真空ポンプ設置スペースを削減できる、専用電源、電流導入を必要としない、装置を小型化できる、電源消失時にも安全安心を確保できる、低コストである、などの利点もある。加速器分野では真空ダクト内面にNEGの一種であるTiZrVを蒸着する技術が確立されているが、放射光ビームラインへの応用はまだ始まったばかりである。そこで我々は放射光ビームラインに適した新しいNEG蒸着である無酸素Pd/Ti蒸着、表面部分窒化高純度チタン蒸着を開発してきた。放射光ビームライン上流部では白色放射光ビームを成形するための4象限スリットを使用している。このスリットには白色放射光ビームが直接照射されるため、脱ガスを低減する必要がある。そこで、PFに新しく建設されるBL-11の軟X線用タンタル製4象限スリット4枚に無酸素Pd/Ti蒸着を行なった。その結果、4象限スリットからの脱ガスを低減し、光焼き出し時間を短縮することに成功したので報告する。