THP075  ポスター②  8月1日 3F交流室A 13:00-15:00
SPring-8-II真空システム設計の現状
Status of SPring-8-II vacuum system design
 
○田村 和宏(JASRI, 理研),出羽 英紀,正木 満博,増田 剛正(JASRI),大石 真也,小路 正純(JASRI, 理研),鈴木 伸司(JASRI),高野 史郎(JASRI, 理研),谷内 友希子,上田 庸資(JASRI),渡部 貴宏(JASRI, 理研)
○Kazuhiro Tamura (JASRI, RIKEN), Hideki Dewa, Mitsuhiro Masaki, Takemasa Masuda (JASRI), Masaya Oishi, Masazumi Shoji (JASRI, RIKEN), Shinji Suzuki (JASRI), Shiro Takano (JASRI, RIKEN), Yukiko Taniuchi, Yosuke Ueda (JASRI), Takahiro Watanabe (JASRI, RIKEN)
 
省エネルギー化/省資源化等、環境負荷の低減を図ると共に、約2桁の大幅な放射光輝度の向上を目指して大型放射光施設SPring-8を更新するSPring-8-II計画が進められている。狭小化、狭隘化する多極電磁石、偏向磁石に対応しつつ、電子ビームの寿命確保に必要な超高真空を実現する真空システムとして、小口径・薄肉のステンレス製チェンバと分散配置の小型光吸収体、および光吸収体直近に配置したNEGポンプにより光刺激脱離ガスを効率よく排気する真空システムの設計を進めている。製作コスト、製作期間の削減および更新作業の効率化のため、従来設計[1]から主に以下の点を変更した。1) 直線部チェンバの電子ビーム室の断面形状を菱形に変更。チェンバ壁を電子ビームから遠ざけ、壁抵抗性インピーダンスを低減させることにより、銅メッキ不要の設計とした。2) CuCrZr製フランジ一体型光吸収体の採用。材料の入手性向上や低コスト化、またフランジ一体型とすることでリークの恐れのない信頼性の高い光吸収体の製作が可能となった。3) チェンバ構成及び真空立上げ手順の変更。1セル約26mを長さ2~3mの11本のチェンバ構成に変更し、プリベークとトンネル内据付後の粗排気、NEG活性化のみで真空立上げを実施することとした。本発表では上記変更点を中心に、SPring-8-II真空システム設計の現状を報告する。[1] K. Tamura et al., in Proc. of IPAC’19, Melbourne, Australia, pp. 1272-1275.