THP073  ポスター②  8月1日 3F交流室A 13:00-15:00
無酸素Pd/Ti非蒸発型ゲッター(NEG)ポンプにおける 高温活性化による排気性能の拡張検討
Extended Exhaust Performance by High-Temperature Activation of Oxygen-Free Pd/Ti Non-Evaporative Getter (NEG) Pump
 
○狩野 悠,矢部 学,加藤 良浩,正岡 祐介,濱中 健一(入江工研(株)),吉川 一郎(東大)
○Yu Kano, Manabu Yabe, Yoshihiro Kato, Yusuke Masaoka, Kenichi Hamanaka (IKC), Ichiro Yoshikawa (U Tokyu)
 
宇宙観測機の保管容器は打上機に搭載してから打ち上げまで最大で1か月間に亘って保存容器内部を高真空状態で維持することが求められる。一方で、打ち上げまでの間は電源供給されない為、電源なしで排気できる非蒸発型ゲッター(NEG)ポンプが好適である。しかし、従来のNEGポンプに付属する加熱制御装置などは打上げ時の負荷や振動に耐えられないという課題がある。一方で、シンプルかつ堅牢であり、無電源で継続的に排気可能なICFフランジ型の無酸素Pd/Ti蒸着NEGポンプが好適である[1]。 この無酸素Pd/Ti蒸着NEGポンプは150度以下で加熱し活性化すると水素とCOを排気するが、水やその他の活性ガスは排気できない[2]。一方で、無酸素Pd/Ti蒸着NEGポンプを250度以上の高温で加熱し再活性化した場合、原理的には水素に加えて、水やCO2などを排気できることが示唆されている[3]。本研究では、無酸素Pd/Ti蒸着NEGポンプを250度以上の高温で活性化した際の容器内の分圧変化を四重極質量分析計を用いて評価したので報告する。 参考文献 1) T. Miyazawa et al., J. Vac. Sci. Technol. A 36, 051601 (2018). 2) T. Kikuchi et al., AIP Conf. Proc. 2054, 060046 (2019). 3) Y.Sugawara et al., U Tokyo Repository. 122,159490 (2019)