THP072  ポスター②  8月1日 3F交流室A 13:00-15:00
KEK 電子陽電子入射器における SLED 調整の現状
Status of SLED tuning at KEK electron-positon linac
 
○牛本 信二(三菱電機システムサービス(株)),惠郷 博文(高エネルギー加速器研究機構)
○Shinji Ushimoto (Mitsubishi Electric System & Service Co., Ltd.), Hiroyasu Ego (KEK)
 
現在、KEK 電子陽電子入射器(LINAC)では全60か所ある加速ユニットのうち、56か所でSLEDを使用している。 Super KEKB に向けた高度化以前のSLED調整では、作業の度に入力部および出力部に設置されている方向性結合器からのRF信号を検波器を通してオシロスコープに取り込み、その波形を見ながら、SLED出力の増加とクライストロンへの反射波が減少するように調整をおこなっていた。 現在はEPICSをベースとしたRFのモニタシステムが整備されており、様々な場所からPCを用いることでRFの振幅および位相信号の確認が可能となっている。SLED調整時はプログラムでクライストロンの出力波形データからSLEDの理想的な出力を算出し、それと実際の出力波形を比較しながら最適な条件となるように調整をおこなっている。また、高所に設置されているSLEDの調整は、従来作業者が脚立に昇り不安定な態勢で作業をおこなっていた。これを改善するため、SLED調整部に取り付けるモーターユニットとそれを制御するコントローラーからなる遠隔調整ユニットを開発し、実際の調整で使用しその効果を確認した。 これら調整手法の改善により、短時間で効率良く且つ安全なSLED調整が可能となった。本報告では実際の調整結果を含めSLED調整の現状について報告する。