THP071  ポスター②  8月1日 3F交流室A 13:00-15:00
J-PARC RCS での大強度ビーム取り出し時の空胴電圧跳ね上がりの抑制
Mitigation of cavity voltage jump due to high intensity beam extraction in J-PARC RCS
 
○田村 文彦,杉山 泰之,沖田 英史,山本 昌亘,吉井 正人,大森 千広,清矢 紀世美,野村 昌弘,島田 太平,長谷川 豪志,原 圭吾,宮越 亮輔,足立 恭介(J-PARCセンター)
○Fumihiko Tamura, Yasuyuki Sugiyama, Hidefumi Okita, Masanobu Yamamoto, Masahito Yoshii, Chihiro Ohmori, Kiyomi Seiya, Masahiro Nomura, Taihei Shimada, Katsushi Hasegawa, Keigo Hara, Ryosuke Miyakoshi, Kyosuke Adachi (J-PARC Center)
 
J-PARC 3GeV シンクロトロン (RCS) は金属磁性体 (MA) 空胴の特長を生かし最大ビーム強度8e13 ppp での陽子ビーム加速を行っている。ビームはキッカー電磁石により1ターンで取り出されるが、ビームの取り出し直後、空胴に短時間電圧の跳ね上がりが発生する。これは電圧制御フィードバックに遅延があり、1ターン取り出し時のステップ状のビーム電流の減少に対する応答には一定の時間がかかることが理由であり、広帯域 (Q=2) MA 空胴ではこの応答の遅れは電圧の跳ね上がりとして観測される。跳ね上がりは取り出し時の電圧が高い場合には空胴機器の損傷の原因となりうるものである。ゲインパターンを用いて取り出しと同時に出力を抑止すればこの跳ね上がりを抑制できるが、RCS のようなマルチハーモニックの場合、パターン設定が煩雑である。このため、LLRF 制御システムの機能としてビーム取り出しに同期し出力を抑止する仕組みを用意した。機能の詳細、試験結果、活用方法について報告する。