THP067  ポスター②  8月1日 3F交流室A 13:00-15:00
半導体パルスモジュレータの運転試験と高効率化に向けた検討
High power test of a solid-state pulse modulator and study for higher efficiency
 
近藤 力(JASRI / 理研播磨),○稲垣 隆宏,前坂 比呂和(理研播磨),湯城 磨(スカンジノバ・システムズ株式会社)
Chikara Kondo (JASRI / RIKEN SPring-8 Center), ○Takahiro Inagaki, Hirokazu Maesaka (RIKEN SPring-8 Center), Osamu Yushiro (Scandinova systems K. K. )
 
X線自由電子レーザー施設SACLAの将来計画として、電力使用量を現在と同程度に保ったままパルス繰り返しを60 Hzから10倍上げることを想定し、加速管や高周波源、パルス電源等の高効率化を検討している。クライストロン用パルス電源については、近年普及している半導体パルスモジュレータの技術を検討した。半導体モジュレータは、高速な半導体をON/OFFすることでパルス幅を任意に制御し、無駄な電力を削減することができる。サイラトロンを使わないため、高繰り返し運転をしてもカソードの劣化や自爆の恐れがなく、安定かつ長寿命で運用できることが期待される。我々は、半導体モジュレータの実用性能と安定性、信頼性を評価し、高効率化に向けた知見を得るため、昨年度にScandiNova社の半導体モジュレータK-300を購入し、SACLA-BL1用加速器SCSS+の増設エリアに設置した。工場で実施した運転試験では、Cバンド・クライストロンに-360 kV, 320 A、4.2 sのパルス電力を供給できていることを確認した。パルスの立ち上がり、立下りの時間は約1 sで、遅れは主にパルストランスに由来し、IGBT自体のスイッチング速度は300 nsであることも確認した。本発表では、これらの工場試験や、今後行うSACLAでの運転試験の結果を報告し、高効率化に向けた改良策についても議論する。