THP064  ポスター②  8月1日 3F研修室A 13:00-15:00
SAGA-LS電子蓄積リング4極電磁石の設置位置変動観測
Observation of the movements of the quadrupole magnets at the SAGA-LS storage ring
 
○岩崎 能尊(九州シンクロトロン光研究センター)
○Yoshitaka Iwasaki (SAGA-LS)
 
近年SAGA-LS電子蓄積リングにおいて電磁石及び真空槽用冷却水の温度変化に伴う± 20 μm程度のビーム軌道の変動が観測されている。放射光実験に対し影響の大きい垂直方向ビーム軌道の変動は軌道補正フィードバックシステムによりほぼ解消されたものの、冷却水温度変化に伴うビーム軌道変動の要因については未解明であった。要因のひとつとして冷却水温度変化に起因する4極電磁石の位置変動が推定されたため、電子蓄積リング4極電磁石に対し接触式精密変位計を設置し冷却水温度変化との相関を調査した。観測の結果、約±0.5 ℃の冷却水温度変化に対し、長期的なドリフトとは別に最大で約±2 μmの4極電磁石の周期的な位置変動が発生していることが確認された。4極電磁石の設置場所とビーム軌道の観測点にも依存するが、±2 μmの4極電磁石の位置変動は±10 μm程度のビーム軌道の歪みを発生させる。これは観測されるビーム軌道の変動量とオーダーが一致する。本学会において、4極電磁石設置位置の変動観測システム及びその観測結果を報告する。また、冷却水の温度変化が電磁石設置位置を変動させるメカニズムについての考察を含める。