THP058  ポスター②  8月1日 3F研修室A 13:00-15:00
量子メスに向けたレーザー駆動大強度イオンバンチの全電荷量測定
Total charge measurement of laser-driven high-intense ion bunch for quantum scalpel
 
○小島 完興,榊 泰直,ヂン タンフン(量研関西研),石井 邦和,熊谷 嘉晃,大石 沙也加,岡野 朱莉(奈良女子大学),近藤 公伯(量研関西研)
○Sadaoki Kojima, Hironao Sakaki, Thanh Hung Dinh (KPSI, QST), Kunikazu Ishii, Yoshiaki Kumagai, Sayaka Oishi, Akari Okano (Nara Women's University), Kiminori Kondo (KPSI, QST)
 
量子科学技術研究開発機構(QST)では、高い治療効果が明らかになっている重イオンがん治療装置の高性能化・小型化を目指す“量子メス”プロジェクトが進行中である。現在、提案されている第5世代重イオンがん治療装置(量子メス)は、イオン入射器・超伝導シンクロトロン・ビーム輸送系・超伝導回転ガントリーから構成されている。装置を小型化するためには、体積の大部分を占める入射器とシンクロトロンの小型化が不可欠である。レーザー駆動イオン加速は非常に大きな加速勾配を持つことから、この小型化の要求に応える技術として期待されている。既存のイオン入射器をレーザー駆動方式で置き換えるためには、イオンを駆動する小型のレーザーモジュールの開発とそれを用いたレーザー駆動による数MeV/uの炭素イオンの加速が必要である。QSTではレーザー部、イオン加速部、イオン輸送部を備えたテストベンチを開発し、この課題に統合的に取り組んでいる。これまでの統合実験ではレーザー駆動で加速したイオンバンチを3台の四重極磁石によって数msrの立体角で捕捉し、イオンバンチの全電荷量測定を行った。講演では、量子メス用レーザー駆動イオン入射器の開発に関わる最新の実験結果について報告する。