THP057  ポスター②  8月1日 2Fリハーサル室 13:00-15:00
J-PARC RCS用ペイントバンプ電源の波形パターン調整システムの構築
Waveform pattern control system of paint bump power supply for J-PARC RCS
 
○杉田 萌,高柳 智弘(JAEA),植野 智晶,堀野 光喜(NAT),篠崎 信一(JAEA)
○Moe Sugita, Tomohiro Takayanagi (JAEA), Tomoaki Ueno, Koki Horino (NAT), Shinichi Shinozaki (JAEA)
 
J-PARC RCSでは、大強度ビームを生成するペイント入射に、4台の水平ペイントバンプ電磁石と2台の垂直ペイントバンプ電磁石を用いる。ペイントバンプ電磁石電源はIGBT制御のチョッパ回路で構成され、指令電流と指令電圧の高周波スイッチング制御により、ビーム軌道を時間変化させる任意の出力電流波形(ペイントパターン)を作成する。ビーム軌道の制御精度は指令電流と出力電流の差(出力電流偏差)で決まり、±1.0%以下の偏差が要求される。現在のペイントパターン調整では、電源制御の応答関数に応じて指令電圧を作成するソフトと、手動で指令電圧値を書き換える調整を組み合わせ、±0.2%以下の偏差を達成している。ソフトは時間を約30μ秒で区切り、その中で出力電流偏差を精度内に調整するため、ビーム入射時間が500μ秒のペイントパターンを作成する場合、指令電圧は数μ秒毎に不連続な階段状の値をとる。この波形はIGBTの高速動作によるスイッチング損失増加の原因となっている。そこで、可能な限り平滑化した指令電圧を手動で作成し、従来と同様の±0.2%以下の偏差を達成できることを確認した。作成には時間を要したが、基本的なルールと傾向の中で予測をしながら調整ができたため、スイッチング損失を低減したペイントバンプ電源独自の波形パターン調整システムを機械学習で構築できる見通しを得た。本発表では、パターン作成の現状と構築するシステムの構成について報告する。