THP055  ポスター②  8月1日 2Fリハーサル室 13:00-15:00
重粒子線小型シンクロトロン用超伝導電磁石のヨーク形状最適化
Yoke shape optimization of the superconducting magnet for a compact heavy ion synchrotron
 
○藤本 哲也(加速器エンジニアリング),水島 康太,岩田 佳之,野田 悦夫,浦田 昌身,宮武 立彦,松葉 俊哉(量研機構),天野 沙紀,高山 茂貴,折笠 朝文,吉行 健(東芝エネルギーシステムズ)
○Tetsuya Fujimoto (AEC), Mizushima Kota, Yoshiyuki Iwata, Etsuo Noda, Masami Urata, Tatsuhiko Miyatake, Shunya Matsuba (QST), Saki Amano, Shigeki Takayama, Tomofumi Orikasa, Takeshi Yoshiyuki (Toshiba ESS)
 
超伝導技術を用いた超小型重粒子線がん治療装置の開発を進めている。本装置のシンクロトロンでは0.3Tから3.5 Tの磁場を連続的に10秒周期で上げ下げを実現する冷凍機伝導冷却方式を採用し、既存の普及型重粒子線シンクロトロンの周長63mに対して半分以下の周長28 mで炭素イオンを4 MeV/uから最大430 MeV/uまで加速することを目標としている。磁場を連続的に変化させるシンクロトロンに超伝導電磁石を使用するにあたり、発熱によるクエンチのリスクを低減するためには起磁力をできるだけ下げることが望ましい。コイルとヨークの間隔を狭めるほど起磁力を低減することが可能であるが、この間隔を狭めるほど鉄ヨーク中の磁束密度が高くなることから、ヨーク中磁束密度の飽和により高磁場側の磁場安定度が悪化する。この飽和状態における磁場安定度の改善について検討を行った。ここではヨークの外周形状およびヨークに穴を開けることで、高磁場時のヨーク中磁束の流れる経路を変えてボア中の磁場分布を変えられることを利用し、最適なヨーク形状を求めた。その結果、最大励磁電流を268Aから256Aまで約4.5%下げることが可能であった。本発表ではシンクロトロン用超伝導電磁石の起磁力低減のためヨーク形状の最適化を行った結果について報告する。