THP050  ポスター②  8月1日 2Fリハーサル室 13:00-15:00
伝導冷却でのカレントリードの種々の設計方法の比較について
Comparison of various design methods for current leads in conduction cooling
 
○清水 洋孝,宗 占国(高エネ研)
○Hirotaka Shimizu, Zhanguo Zong (KEK)
 
超伝導線材を用いた電磁石の利用では、転移温度以下極低温での電気抵抗の消失に伴い、大きな通電量が見込め、結果として高強度磁場の発生が可能となった。しかし同時に、極低温環境に置かれた電磁石に通電する為には、常温部から極低温部までを導線で繋ぐ必要がある為、これが大きな熱の通り道となる事で、侵入熱の問題が生じる。LHCやSuperKEKBのQCS電磁石の様な大型加速器での現場では、低温側熱浴からの蒸発蒸気の顕熱を利用して、導線部分を冷やす工夫が採用される事が一般的であるが、ILCのcryomodule内に収められる4極電磁石などでは、直接浸漬冷却される空洞とは別に、磁石本体が伝導冷却のみで冷やされるため、導線部分に関してもアンカーで熱を逃しながら、伝導のみでの冷却を行う必要がある。このため、熱侵入の大きな要因となる常温側からの伝導成分と、通電時に導線本体から発生するジュール熱成分を正しく評価して、適切なカレントリードの熱設計を行う事が重要になる。熱伝導率や電気伝導率を温度に依らない定数と見做す近似や、熱伝導積分値を用いる方法など、さまざまな設計の手法があるが、熱伝導方程式を近似を用いずに解析的に解いて評価した場合の結果を求める事で、他の結果との比較を行い、設計方法の違いがもたらす影響の大きさに関して報告する。