THP045  ポスター②  8月1日 2Fリハーサル室 13:00-15:00
超伝導加速空洞ストリングアセンブリ作業におけるロボット利用の具体的な検討
Specific considerations of robot applications for superconducting accelerating cavity string assembly
 
○山田 智宏,井藤 隼人,道前 武,山本 康史,梅森 健成(高エネ研)
○Tomohiro Yamada, Hayato Ito, Takeshi Dohmae, Yasuchika Yamamoto, Kensei Umemori (KEK)
 
超伝導加速空洞は常伝導空洞に比べ表⾯抵抗を⼩さく抑えることができるため、より高い電場での連続的な運転が可能となり、現在世界中の⼤型加速器で多数⽤いられている。一方、空洞およびその周辺部品の組み立て時に空洞内部にゴミやチリなどのパーティクルが混入すると、発熱やField Emissionにより空洞性能の著しい低下が起こるため、クリーン環境を整備することに加え、いかにパーティクルの発生および侵入を抑えるかという技術開発が重要である。一般に、クリーンルームにおけるパーティクル発生源の最も大きな寄与は人間であることが知られている。本研究では、この人間の介在を減らすための試みとしてロボットを導入し人間に代わって作業を行わせることを検討した。さらに、KEKでは、国際リニアコライダー(ILC)計画の実現に向けた技術開発を国際的に進める新たな枠組みである「ILCテクノロジーネットワーク(ITN)」とも関連した、新たな5カ年計画(MEXT-ATD)が始まっており、プロトタイプクライオモジュール1台の設計・製作を進めている。本モジュールのための空洞ストリングの組み立てにロボットを導入するべく、ロボット技術向上のためのマイルストーンを立てて進めている。本ポスター発表では、空洞ストリングアセンブリ作業におけるロボット活用方法とその課題、さらにMEXT-ATDのクライオモジュールでの利用を見据えたロボット技術開発スケジュールについて報告する。