THP040  ポスター②  8月1日 2Fリハーサル室 13:00-15:00
結晶方位を考慮したラージグレインニオブの強度評価
Strength evaluation of large grain niobium considering crystal orientation
 
○梅澤 裕明(総合研究大学院大学),山中 将(高エネルギー加速器研究機構),西田 尚志(東京電解株式会社)
○Hiroaki Umezawa (The Graduate University for Advanced Studies), Masashi Yamanaka (KEK), Naoshi Nishida (Tokyo Denkai Co., Ltd.)
 
超伝導空洞のコストダウンのため、素材となるニオブにインゴットを直接スライスする方法が研究されている。通常の圧延材のニオブの結晶粒径が数十μmなのに対し、インゴットをスライスして作られたニオブ板の結晶粒径は十数cmにもなることから、この製法の板はラージグレインと呼ばれている。金属の降伏強度はその結晶粒の大きさに反比例するホール-ペッチの法則はニオブにも当てはまり、ラージグレイン材の強度はファイングレイン材と比べて低い。また超伝導空洞は圧力容器とみなされるため高圧ガス保安法の規制を受けるが、その際に必要なラージグレインニオブの機械的強度の最小値は明らかになっていない。そこでラージグレイン材から大量にランダムに切り出された試験片の引張試験を行い、統計的にラージグレインニオブ材の機械強度の評価を行なった。しかしながらばらつきが大きく算出が難しいことから、単結晶丸棒の引張試験片を作成し、結晶方位を調べて引張試験を行なった。その結果、ニオブもシュミットの法則に当てはまることがわかった。さらに今回の実験から算出したニオブの臨界分解せん断応力を報告する。