THP038  ポスター②  8月1日 2Fリハーサル室 13:00-15:00
ILC陽電子捕獲ライナック用LバンドAPS加速管の設計および製作方法の検討
Design and fabrication study of L-band alternating periodic structure(APS) cavity for the ILC positron capture linac
 
○福田 将史,榎本 收志,榎本 嘉範,佐藤 幹,高富 俊和,肥後 壽泰,森川 祐(高エネ研),栗木 雅夫(広大)
○Masafumi Fukuda, Atsushi Enomoto, Yoshinori Enomoto, Motoki Sato, Toshikazu Takatomi, Toshiyasu Higo, Yu Morikawa (KEK), Masao Kuriki (Hiroshima Univ.)
 
国際リニアコライダー(ILC)の電子駆動型の陽電子源において、陽電子は、3GeVの電子ビームをターゲットに照射した際の電磁シャワーにより生成し、ソレノイド磁場中の陽電子捕獲ライナックで加速する。この加速管では、大電流のマルチバンチ陽電子ビームを加速するため、ビームローディング補償や電磁シャワーによる10kW以上の熱負荷への対処が課題となる。この課題解決のため、群速度が大きく、ビームローディングやセルの周波数誤差などの外乱に強いπ/2モードのLバンドのAlternating Periodic Structure(APS)加速管を用いる。これまでに、高い熱負荷に対応する冷却水路のスペースを考慮した、加速セル11cell、結合セル10cellの合計21cell APS加速管の空洞設計を行ってきた。現在は、加工上の事情を考慮した設計の微調整や加工時の各セルや各モードの共振周波数測定およびその調整方法の検討を行っている。空洞設計については、加工上の事情を考慮しカプラーセルの一部形状を修正した。また、APS空洞では、合流条件を満たすように加速セルと結合セルの共振周波数を等しくする必要があるため、空洞の追加工や加速セルに取り付けたチューナーによる共振周波数の調整、および各セルの共振周波数の測定の方法をシミュレーションにより検討している。これら加速管の設計や製作方法について報告する。