THP031  ポスター②  8月1日 2F交流ラウンジ 13:00-15:00
J-PARCハドロン実験施設における二次粒子生成標的の10ミリ秒周期温度測定システムの開発
Development of temperature measurement at 10-millisecond sampling interval for the production target in the J-PARC Hadron Experimental Facility
 
○上利 恵三,里 嘉典,豊田 晃久,森野 雄平,秋山 裕信(KEK)
○Keizo Agari, Yoshinori Sato, Akihisa Toyoda, Yuhei Morino, Hironobu Akiyama (KEK)
 
J-PARCハドロン実験施設では陽子ビームパワー95kW対応の二次粒子生成標的を使用したビーム運転が2024年現在、行われている。標的の素材はビームが直接照射される部分が金、その土台が無酸素銅、冷却用配管がステンレスから構成されている。30GeVメインリングから約2秒で取り出されるビーム運転時の温度測定、誤って瞬間的(数ミリ秒)に取り出される短パルスビームによる多大な熱や熱応力の発生の検知、標的本体の健全性確認のため、標的に熱電対を設置した。熱電対の温度計測機器はProgrammable Logic Controller (PLC)やそのCPUモジュールにインストールされたExperimental Physics and Industrial Control System (EPICS)から構成されている。この標的は2023年6月まで100ミリ秒周期で温度測定していたが、標的温度、短パルスビーム、そして標的の健全性などをより速く測定・検知するため、10ミリ秒周期で温度測定可能なシステムを開発している。また測定周期変更に対応したPLCのラダーやEPICSのプログラムを更新し、2024年4月のビーム運転でこの温度計測システムが安全・安定的に動作することを確認した。今回はJ-PARCハドロン実験施設の二次粒子生成標的温度計測周期の高速化について報告する。