THP021  ポスター②  8月1日 2F交流ラウンジ 13:00-15:00
S-band 80 MW マルチビームパルスクライストロンの電子銃およびマグネット設計
Design of the gun and the magnet for S-band 80 MW multi-beam pulsed klystron
 
○夏井 拓也,松本 修二,松本 利広,三浦 孝子,Wang Shengchang,福田 茂樹(KEK)
○Takuya Natsui, Shuji Matsumoto, Toshihiro Matsumoto, Takako Miura, Shengchang Wang, Shigeki Fukuda (KEK)
 
KEK電子陽電子入射器では,S-band 50 MWのパルスクライストロンが約60台稼働している.これらクライストロンは30年ほど前に開発されたもので,その効率は45%程度と現在ではとても高効率とは言えない.昨今の電力価格の高騰からもクライストロンの高効率化が望まれている. そこで,我々はマルチビームクライストロンでの高効率化検討を2022年頃より始め,現在までにシミュレーション上では良好な結果を得ている. 基本方針は,現在のモジュレータをそのまま使い,クライストロンのみを置き換えることで,高出力を狙い,目標効率を73%に設定してマルチビームクライストロンの設計を進めている.大電力パルスS-band帯域でのマルチビームクライストロンの開発は世界的にも珍しく今後のクライストロン開発にも貢献できると考えている.本発表では電子銃とマグネット設計に重きを置いて報告したい.