THP012  ポスター②  8月1日 1F大会議室 13:00-15:00
Spresenseカメラモジュールを用いた放射線検出器の開発
Development of radiation detector using Spresense camera module
 
○塩澤 真未,帯名 崇(高エネ研),路川 徹也(株式会社 東日本技術研究所)
○Mami Shiozawa, Takashi Obina (KEK), Tetsuya Michikawa (East Japan Institute of Technology Co., Ltd.)
 
ビームの調整を行ったり機器を保護したりするためにも、加速器を運転する際にビームロスから発生する放射線を計測することは非常に重要である。用途や目的に応じて様々な種類の放射線検出器が市販されているが、比較的高価なものが多い。特に加速器のビーム調整を目的とする場合には加速器室内に多数の放射線検出器を設置し、どこでビームロスしているかをリアルタイムでモニターする必要があるため、市販の放射線検出器を多数設置することは現実的ではない。そこで我々は放射線環境下でも動作するSONY製のマイコンSpresenseとCMOSセンサ搭載のカメラモジュールを用いた安価で小型な放射線検出器を開発することにした。一般的にカメラの撮像素子(CCD、CMOS等)に放射線が当たると画像にノイズとして白いスポット(スターダスト)が見える事は良く知られているため、それを利用し白く見えるスポット(ピクセル)をカウントすることで放射線量を計測する構成である。またカメラモジュールとマイコンをあわせても大きさは5cm程度、重さも数十グラム程度であり、PoEスプリッタを用いるという構成にすれば配線はPoEケーブルを一本引くのみで、設置場所の自由度が高い上に設置の手間もさほどかからない。これまで運転中の加速器室内に設置して放射線計測を何度か行い、実際に放射線を検出できることを実証した。本発表ではその結果及び解析方法、開発の進捗状況について報告する。