THOT06  ビーム診断・ビーム制御/粒子源  8月1日 テルサホール 10:30-10:50
高精度ペッパーポット型エミッタンスモニターの開発
Development of high-accuracy Pepper Pot Emittance Monitor
 
○森田 泰之,長友 傑(理研仁科センター),中島 悠太(阪大IDS)
○Yasuyuki Morita, Takashi Nagatomo (RNC), Yuta Nakashima (IDS)
 
理研仁科センター(RNC)では、ペッパーポット型エミッタンスモニター(PPEM)を使ってLow Energy Beam Transportにてエミッタンス測定を行っている。PPEMの大きなメリットとして、短時間での測定が可能であり、x,x’,y,y’の4次元情報を一度に得られる点があげられる。一方でペッパーポットマスク(PPM)の穴とスクリーン上の像のマッチングが困難であり、測定精度には大きな課題が残っている。一般にPPEMでは、PPMとスクリーン間の距離が小さいほどエミッタンスを過大評価してしまい、かつ測定精度も低下する。しかし距離が大きくなるとPPM上の穴とスクリーン上の像とのマッチングが困難になり、過剰に距離を大きくすると正確な測定ができない。この課題を解決するため、RNCではPPMとスクリーンの距離を可変にすることで正確な測定が可能な範囲で距離を最大化する工夫をしてきた。今回、この距離可変型のPPEMについて、新たにOptical Flowを用いた解析手法の開発を行った。Optical Flowを用いることで、PPMとスクリーン間の距離を変化させた際のスクリーン上の像の変化を追跡することが可能となった。これにより従来の解析手法よりも距離を大きくできるようになり、測定精度の向上を実現した。本発表ではOptical Flowを用いた解析手法の概要と従来の解析手法との比較、RNCでの運用状況について報告を行う。